2012年5月14日月曜日

すい臓がん 対策に最も有効な新技術

膵臓がんを治すためには、早期発見が最善策だ。全てのがんに共通する早期発見だが、特に膵臓がんでがん発見が遅れる理由は、膵臓が腹部の深いところにあり、厚みも無いために画像診断が難しいからだ。さらには胃や腸のように内視鏡で簡単に組織を調べられないため、早期発見が容易ではない。そのため、膵臓がんの多くががん発見時点で既に周囲に転移した末期がん となっている。「上腹部の不快感」訴えても胃炎と診断され、数カ月後に黄疸が出て痩せ細り、進行膵臓がんだと分かるケースが多発している。

そのため、膵臓がんは、死亡率が高く、がんの中でも特に治療が難しいとされている、膵臓がんの生存率を上げるには早期発見に尽きると言われている。膵臓がん5年生存率は約10%と低いために「最も治り難いがん」とされてきたのだ。

ところで、難治癌の膵臓がんでも、ステージ1=早期がんの状態で発見できれば、5年生存率は60%以上と高いのだ。早期がんで見つけることで、再発無しに完治できる患者も多い。

膵臓がんの早期発見法では、超音波診断ですい臓内の「主膵管」を観察する。すい臓内の「主膵管」は膵液を十二指腸に運ぶ管だが、「太く」なっていたり、「袋状の嚢胞」がある人は、膵臓がんへ移行する確率が高いことが検査の肝だ。

同手法を開発・推奨していr大阪府立成人病センターでは 1998年から超音波を使った膵臓がん検診を開始し、大きな成果を上げた。膵管拡張や膵嚢胞の患者1039人を平均5、6年間追跡して経過観察した結果、膵臓がんが17人にも発見され、このうち11人の膵臓がんを切除手術した。特筆すべきは、17人中7人(41%)がステージ0か1の早期がん状態で発見できたことだ。通常であれば、この早期がん段階ですい臓がんが発見されるのは、2%以下の低い確率であるので、膵臓がんの早期発見率としては非常に高いと言える。

超音波膵臓がん検査は、人間ドックなどで膵臓が腫れているなど何らかの問題が見つかった人を対象に、通常1.5ミリ程度の主膵管が2.5ミリ以上と太くっていないか、嚢胞ができてないかなどを検査する。所要時間は、20分前後。もしも、異常があれば精密検査として、造影剤を使った超音波検査や、膵液の組織への移行する。

同手法の成果と結果分析として、すい臓の「主膵管」に「拡張または嚢胞」のあった人は、異常の無い人よりも膵臓がんの発症リスクが約3倍高かった。さらに、両方の異常のある人は約27倍もの高いがんリスクが確認されて、年平均1%以上もの高い確率で膵臓がんを発症することも指摘された。従い、主膵管が太い人や嚢胞のある人は膵臓がんが発見されなくとも、高いがんリスクを念頭に6ヶ月毎の継続検診が勧められている。

開始当初は「超音波で膵臓を見るのは難しい」と否定的な意見も多かったが、実用性が明らかに証明されたことで今後は膵臓がんの早期発見手法としての定着が期待されている。

2012年5月11日金曜日

乳がんの発症・転移に化粧品成分が?

化粧品や食品に含まれる低濃度のカドミウムでも、乳がんを発症・転移するリスクが高まることが判明した。

カドミウムは体内に入ると、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を示すことがあるため、特定の化粧品に含まれることがある。低濃度でもカドミウムに慢性的に曝露された細胞は、高レベルのSDF-1というタンパク質が発生することが判明したのだ。このSDF-1というタンパク質は、がん(腫瘍)の浸潤および転移に関連する物質=がんリスク物質として既知なのだ。

化粧品以外にもカドミウムは農業用の肥料に添加されることも多い。食品も、化粧品も、がんリスクを避けるのに越したことは無いだろう。

新たな乳がんリスクに関する研究は、米ドミニカン大学カリフォルニア(サンラファエル)生化学准教授のMaggie Louie氏が、米サンディエゴにて開催された実験生物学(Experimental Biology)学会年次集会で発表した。

2012年5月10日木曜日

抗がん効果高める新カプセル素材技術

抗がん剤の効率的かつ効果的な投与方法が開発された。

同量の抗がん剤を投与しても、副作用最小化され、効果は倍増できるという新手法は、「フレークシェルカプセル」と呼ばれる微小カプセルを利用したドラッグデリバリシステム(DDS)。

ドラッグデリバリシステム(DDS)とは、がん患者の病理部位だけに薬物を運ぶという仕組みだ。ドラッグデリバリシステム(DDS)に不可欠なのは、マイクロメートルもしくはナノメートルサイズのカプセルで、このカプセルに薬物を封入することで、がんなどの病理部位だけに薬物を確実に送り込むことを狙っている。

旧来手法で、抗がん剤を体内へ投与しても、投与した薬物ががん患部へ到達する前に相当量が吸収・分解されてしまう問題があった。がん患部以外に抗がん剤が分散することが副作用の原因であり、がん患部への治療効果を低減してしまう。そこで、抗がん剤の放出持続時間を自在に制御し、薬剤の有効時間を数倍に延長できるカプセルが開発されたのだ。物質・材料研究機構(NIMS)が開発に成功した新開発のカプセルは、無機物のナノメートル厚のフレーク状物体「ナノシート」でできた伸縮自在のカプセルで、「フレークシェルカプセル」と呼ばれる。開発された無機物のフレークシェルカプセルでは、カプセルの大きさが簡単に調節でき、さらには薬物を通過させる孔構造の調整も容易である。つまり、希望の量の薬剤を内部に封入し、かつ、それを希望の速度でがん患部へ持続的に放出することができるのだ。がんの状態に合わせ、量や持続時間を自在に調節できることは、非常に優れた抗がん剤物運搬体と言える。

さらに、「フレークシェルカプセル」は、従来よりも多くの抗がん剤をカプセル内に封入できると同時に、抗がん剤の放出速度を抑えることができる。従来のカプセルに比べて、抗がん剤放出持続時間が格段に長くすることもでき、 1つのフレークシェルカプセルで数日間、持続的に抗がん剤を投与することが可能となった。

また、表面に特定のがん標的を認識できる抗体を結合させれば、特定の病的部位にのみ薬物を送り込む「がんミサイル療法」への応用も可能なのだ。

構造を自在に調節できるカプセルの開発によって、既存の抗がん剤によるがん治療にても飛躍的に治療効果を高められる可能性を秘めている。

2012年5月9日水曜日

がん治療に効果的な香辛料とは?

大腸がん治療には、ウコン(香辛料ターメリック)が効果的である。

カレーなどの料理に色や香り付けに使われる鮮やかな黄色の香辛料、ターメリック=「ウコン」。インド料理やタイ料理で頻繁に使用される香辛料として有名だ。

このターメリック(うこん)に含まれる代表的な成分が「クルクミン」。このクルクミンという成分は、大腸がん治療時に抗がん剤のがん細胞殺傷力を高める効果があるのだ。この効果は、既に動物実験では実証されている。

そして、ついにクルクミンの抗がん治療への有効性が臨床試験されることになった。大腸がん治療へのスパイス成分クルクミンの効果を検証試験するのは、イギリスのレスター大学(University of Leicester) のがん医療研究センターECMC(Experimental Cancer Medicine Center)の研究チーム。

従来の大腸がん治療の問題点として、抗がん剤治療の際の副作用の負担が大き過ぎることで、多くのがん患者が抗がん治療を長期間継続できなかった。しかし、クルクミンの抗がん剤助長効果が有効ならば、投与する抗がん剤の量を減らすことができ、がん患者への副作用も減少されて、治療をより長く=余命を延長できることになる。

大腸がん患者は、ウコン(ターメリック)を使用した料理を食べることが抗がん剤治療を効果的にできそうだ。

2012年5月7日月曜日

肝臓がん新薬へのDNA解析

胆管がんは、生命に危険のある肝臓がんの一種だ。全世界の肝臓がんの10~25%を 胆管がんが占めているおり、患者が多く、新薬へのニーズは高い。

実は胆管がんは、特にアジアでは肝吸虫感染が原因で罹患することが判っている。肝吸虫が感染している鯉(コイ)や鮒(フナ)を食べることで、人間に感染するのだ。

この肝吸虫が原因の胆管がんに関して、影響を受けるDNAが解読され成果が上がった。発病に関連すると見られる15個の遺伝子に関して、 46症例でスクリーニングを行い、がん発病と関連する遺伝子変異の出現率が調べられたのだ。その結果、数個の遺伝子の体細胞変異ががんとの関連性が確認され、さらには、胆管がんに関与する変異と見られる10個の遺伝子が新たに同定された。

がん発病遺伝子が特定されることは、そのがんの特効薬となりうる分子標的薬の開発へに繋がる第一歩だ。

胆管がんへの特効薬となりうる新薬開発が待たれる。

2012年5月2日水曜日

肺がん治療に混合診療を承認

非小細胞肺癌に対する重粒子線1回照射による治療が、「先進医療」として承認されたことから、保険診療との混合診療が認められることになった。

非小細胞肺癌に対する重粒子線1回照射は、放射線医学総合研究所 重粒子医科学センターで約9年間の臨床試験で実績を上げている。そして、ついに3月16日の重粒子線治療ネットワーク会議にて先進医療への移行が認められたのだ。

日本での肺がんのがん死亡者数は年々増加し、 1998年に胃がんを抜いて1位となった。肺がんの既存治療は、手術や、抗がん剤や放射線照射の組合せで行われており、早期の肺がんならば、ピンポイントの放射線治療は手術と同程度の成績が得られる。

重粒子線は放射線の一種であり、体の中の一定の深さで線量が最も強くなるようにコントロールできるのだ。さらに、集中性も優れているので、体外からの照射でも、体の表面や正常組織への影響を最小限で、深部のがん病巣だけに集中的に照射できる。

「日帰りの肺がん治療」が実現することになり、さらにその5年生存率が70%にまで高められている。

肺がん患者の肉体的・経済的負担の軽減と早期社会復帰が実現するだろう。

大腸がん に 新治療法

大腸がん治療にアスピリンが効果があることを判った。

アスピリンと非ステロイド抗炎症薬(NSAID)に大腸がん予防効果があることは既に知られていたが、大腸がん診断後にもアスピリンを治療に用いることで死亡率が改善することが判明したのだ。

調査を実施したのは、オランダのライデン大学医療センター。がん登録データを用いた大規模な観察研究を実施し、大腸がん(結腸がん)の診断後NI、補助療法としてアスピリンが効果的である可能性を示唆した。

アスピリンの治療効果は、今のところ結腸がんのみで確認され,非アスピリン使用者と比較して死亡率が35%低かった。